「3回爆発音」と報じられた変電所のトラブルは、実際には倒木によるものであり、爆発ではなかったことが北陸電力送配電のホームページで確認できます。この誤解はSNSを通じて誇張されたもので、記事が削除されたのは誤解を招く内容だったためと考えるのが無難です。
また、能登半島沖地震とのタイミングの悪さが不信感を増幅させましたが、人工地震の理論は、必要なエネルギー量の非現実性、震源の深さに到達する技術的な限界、そして莫大な費用と実際のメリットの不均衡から破綻しています。
変電所で3回の爆発音のニュースに関する意見
質問の内容
昨日、2023年12/31の 変電所で3回の爆発音 のニュースが全部消されてるんですけど、なぜですか?
Yahoo知恵袋
また、なぜこれを根拠として人工地震説が出てるんでしょうか。
「3回爆発音」変電所でトラブルの原因
実は爆発ではなく倒木によるトラブルだった

「3回爆発音」変電所でトラブルの見出しだけを見ると爆発があった!?と思う人も多いかもしれませんが、実際の停電理由は倒木の接触によるものでした。(記事に公開されていた午後2時10分頃のトラブルと合致する状況報告は北陸電力送配電のホームページで確認することができます)
「倒木が爆発音に聞こえるのか?」という疑問ですが、木の倒れる音は凄まじく、爆発音のように消えてもおかしくはありません。「大きい音=爆発音」という表現は陰謀論に繋げやすいため、SNS伝いで誇張されているようです。
なぜ記事が消されたのか?
当初「爆発音のような音が3回した」という住民からの連絡が消防に入ったという速報ニュースでした。ただ、実際のところは何かが爆発によって火災や煙が上がった様子は確認されておらず、実際には倒木による影響ということが公式で発表されています。
トラブル等の誤解を招くような記事は削除されても何ら違和感はありません。原因はなんだったのかについてはメディア記事が続報を伝えるのが筋ですが、メディアは旨みがなければ、報道が後手に回る、もしくは削除して終了というのもよくあるパターンです。
とはいえ、1月1日の16時10分ごろに発生した能登を中心とした大地震が起きてしまったことで不信感を募る人が増えてしまったことはタイミングが悪かったとしか言わざるを得ません。
人口地震が不可能・デマな理由
人工地震を起こすエネルギー量が非現実的
人工地震を引き起こすためには、膨大なエネルギーが必要です。東京大学地震研究所の古村孝志教授によると、例えばマグニチュード7.4の地震を引き起こすためには、核実験で生じるエネルギーよりもはるかに大きなエネルギーが必要です。核実験によってもマグニチュード5前後の振動しか生じないため、より大きな地震を引き起こすことは現実的ではありません。
能登半島沖地震の最初の大地震は16:10分に発生していますが、そこから2時間の間にマグニチュード5前後の振動は15回も発生しています。一体何発の核を爆破させればいいというのでしょうか?この時点で人工地震の理論は破綻していると言わざるを得ません。
発生させる震源の深さまで掘れない現実
人工地震を引き起こすためには、震源の深さにも注目する必要があります。
防災科学技術研究所の藤原広行部門長によると、例えば57キロメートルの深さまで穴を掘ることは現在の人類の技術では不可能です。日本で最も深い穴でも約6キロメートルであり、これ以上の深さに到達するためには数百億円の予算が必要になるとされています。
人工地震を起こすメリットがない
巨大なエネルギーを必要とし、技術的な限界があり、莫大な費用がかかることを考えると、人工地震によって与える実害が小さすぎるため、何のために起こしているのか見当がつきません。陰謀論を唱える人はもう少し、科学的、経済的側面を確認し、それを行うことでもたらすメリットが人工地震を引き起こす以上にメリットが生まれるのかについてよく考えると良いでしょう。
